JBC・CSR基金は、JBCとしての社会貢献活動の一環として、昨年11月に設立されました。おかげさまで、JBC会員の皆さまから温かいご理解と多額のご寄付を頂き、当初の計画を上回るペースで基金が寄せられております。今年3月からは、高校生向けの奨学金と市民グループへの助成金の公募を開始し、先頃、奨学金の支給先を決定しました。この場を借りて報告させていただきます。なお、環境保護団体等への助成金については、次号で報告させていただきたいと思います。
切実さを実感した奨学金の審査
JBC・CSR基金の活動の柱は、高校生向けの奨学金です。意欲と能力がありながら、経済的な理由で就学困難な高校生に対して、月々3万円を支給するもので、第一期奨学生10名を3月1日から4月末まで公募しました。
JBC・CSR基金としては、設立から間も無く、奨学生の募集を広く知らせることが第一の課題でした。まず、基金のウェブサイトを立ちあげると共に、全国47都道府県の教育委員会宛に募集のパンフレットを送付し、市町村や各学校などに周知してもらうように依頼しました。これに併せて、JBC・CSR基金の理事会の皆さまにもご紹介をお願いするなどして、最終的には16名の方から奨学生への応募がありました。
そして厳正な審査の結果、当初の予定を上回る12名に対して、奨学金の支給を決定しました。その内容を見ると、両親が離婚し、しかも別れた父からの養育費が途絶え、母親が200万円台の年収で子ども3人を育てているケースや、父親が病気で倒れ、医療費がかさむ中で学費の支出に苦労をしているケース、父親が連帯保証で全財産を失い、学費の支払いが困難になったケースなど、経済的な支援の必要性を強く実感する案件ばかりでした。
応募に際しては、奨学金を希望している高校生本人の作文も提出してもらいました。作文の課題は、「高校時代に学びたいこと、挑戦したいこと」もしくは「わたしの夢」としました。実際にそれぞれの作文を読んでみると、一人ひとりの生きる姿勢や頑張ろうという気持ちを読み取ることができました。
12名の奨学生の詳細は、別表をご参照ください。
2名増員を可能にした2件のご寄付
当初の予定では奨学生は10名でしたが、最終的に理事会として12名への支給を決定しました。月額3万円の奨学金を3年間支給するためには、一人あたり100万円以上の原資が必要になります。しかし今回はJBC・CSR基金の理事の方から2件の特別なご寄付があり、2名の増員が実現しました。本当に素晴らしいお話だと思いますので、ご紹介させていただきたいと思います。
一つのお話は、イマジニアの神藏孝之社長です。神蔵社長が奥様のお誕生日に、ダイヤモンドの指輪をプレゼントするというお話をされたところ、奥様が「私はいいから、その分のお金(100万円)をCSR基金に寄付してあげて」とおっしゃったのだそうです。このお話は、ちょうど奨学金審査の理事会の直前にあったので、理事会としても奥様のご厚意に応え、奨学生を1名増やそうという話になりました。
しかし、理事会での審査は更に難航しました。というのは、〝12番目縲桙フ方に奨学金を出すかどうか、というところでやや意見が分かれ、判断がつきかねる状況になってしまったのです。
そこで、2つ目のご寄付のお話がもたらされました。アセット・マネジャーズの青木巌社長が「それでは私も100万円寄付しますので、もう一人出しましょう」とおっしゃったのです。理事会の中でも、どよめきと歓声が起こりました。この青木社長のご英断によって、12番目の方への奨学金が決定したのです。
皆さまからのご支援に改めて御礼を申し上げます
JBC・CSR基金の検討が始まったのは、昨年の3月でした。6月のJBC理事会でのご了解に基づき、6月末に基金の設立総会を実施、11月に東京都からの承認を得て正式に法人が成立すると同時に、JBCなどから2千万円の寄付を受け、その後も、船井財産コンサルタンツの平林良仁社長からは、還暦パーティーでのオークション収益(約500万円)をご寄付いただきました。TAMURATRADING CO.,LTD.の田村千秋社長から200万円、エリアリンクの林尚道社長からも10万円のご寄付を頂きました。4月からはJBC会員の大多数の皆さまから、月々2千円以上のご支援を頂けることになり、文字通り、JBC全体でJBC・CSR基金を応援していただく形になりました。初年度1年間の収入見込みは当初計画を大きく上回り、3千万円強となっています。
このような財政的な基盤があればこそ、奨学金、助成金の事業をスムーズに立ちあげることができました。皆さまのご支援に改めて御礼を申し上げますと共に、JBC・CSR基金の活動状況などについては、随時皆さまにご報告させていただきたいと思っております。今後とも、どうぞよろしくお願い致します。
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